武蔵野カップ(優勝)観戦記
3年生が全国大会(インターハイ東京都予選)を終え、1.2年生による新体制が発足しました。新チームの初陣となった今回の武蔵野カップは準公式戦ですが、10月から始まる公式戦(新人戦)の動向を窺がう大切な前哨戦です。
試合開始前のサポーター席では、いきなり一昨年の優勝校、明大明治と対戦することに話題が集まりました。相手校はホームグランドであり、100人を超える部員数から選ばれた選手達で、強敵であることから、初戦が決勝戦の様相だと話し合っていました。
試合が始まると順調に5対ゼロとリードしました。途中で追いつかれそうな局面もありました、始終先手を取り、徐々に点差を広げて終わってみれば70点超える得点を挙げ、相手校に30点以上の差をつけての勝利でした。
勝因は顧問の指導力と現役選手の目標に向かっての沈着にして、強力なファイティングスピリットだと感じました。個々の選手はドリブル、ミドルショット、リバウンドの確保、パス回しなどに個性的で高いテクニックを持っており、チームプレーが良く出来ていて、個々の力が十分に発揮されていました。最初から最後まで少しも気を緩めることなく、平常心を持ち続けて戦い切った試合でした。この姿勢(静かな闘志)は4試合全てで少しも変化することなく持ち続けていたのは、顧問の指導の下、選手諸君が強い絆で結ばれている結果であると感じました。
第2戦の都三鷹高校戦は主力選手を途中からベンチに下げての戦いでしたが93対39と圧勝し、選手層の厚みを感じました。最後の5分間に主力選手を投入し、最後まで真剣勝負を続けて100点突破のゲームを達成して欲しいと思いました。(欲張りすぎですが)
第3戦の準決勝戦は、成蹊高校との試合は第3コーターで、追いつかれ、主力のポイントゲッターが5反則退場となり緊張しました。しかし一歩も引かず徐々に点差を広げて終わってみれば、70得点越えし、10点以上の差をつけての勝利でした。最後までペースを落とさず走りきった試合でした。
第4戦の決勝戦は、昨年の優勝校、小金井北高が相手でした。ドリブルの上手な2人ガードがゲームづくりを上手に行っていました。しかしドリブルでは更に上を行く力を発揮すると同時に、相手の果敢な攻めを執拗にガードし続けたため、相手は攻め倦み、徐々に動きが止まってきました。それでもさすがに強敵で第3コーターで逆転を許しました。しかしまったく、動揺することなく自分達のバスケットを確実にプレイし、すぐに逆転すると、少しづつ点差を広げました。かなり接戦が続きましたが第4コーターの後半には10点差を超える優位に立ち危なげなく勝ちました。途中ハーフラインから1対1の走りあいに、強いガードを退けながら左手のシュートを決めたときのシーンは教科書のビデオを見せてもらっているようでした。
このような力が発揮できるのはやはり自分を取り巻いているチームメイトが相当の力を持っていて、激しい練習の中で培うことが出来た本当の実力だと思います。
優勝を決めて応援席へ挨拶に来た選手たちの顔つきは緊張感に溢れた見事なものでした。このようなチームには「勝って兜の緒を締めよ」とか「慢心は命とり」などの言葉はまったく必要ないでしょう。
優勝を決めた夜に私のフェースブックに2つの投稿がありました。1通は既に引退が決まっている3年生のもので「後輩の快挙を誇りに思います」というもので、他の1通は現役の選手からのもので「優勝させて頂きありがとうございました」というものでした。
優勝直後に体育館のロビーで取った集合写真が添付されていましたが、優勝を決めた夜疲れた時に作成したこの投稿文は一人の選手の気持ちですが、このたびの4試合を観戦して、この気持ちは全ての現役選手が共有している様に思えます。
この投稿に即刻、卒業生M君の「いいね」が送られて来て、更に次々と「いいね」が続きました。これを見てこのチームが作り上げた「絆」は本物だと思いました。
現役選手の投稿は最後まで応援に精を出された保護者の皆さんに対する敬意を表するとともに、OB会の総会で聞いた同窓会会長、大学バスケの助監督(法政二高バスケOB会会長)をはじめとする来賓各位の励ましの言葉、そして交流試合でともに楽しんだ先輩OBに対する感謝の気持ちを表しているように私には思へ他のです。
厳しい練習の量や、これによって身に着けた数多くのテクニックも、以上の気持が根本になければ開花するとは思へません。投稿した現役選手と全てのチームメイトがこの認識を共有しており、S顧問の下に結集した2日間だったからこそこの快挙が生まれたと思います。この2通の投稿はこのことを如実に伝えてくれていると感じて紹介しました。
10月中旬から最初の公式戦である「秋季・新人戦」が始まります。OB会員の皆様に、試合会場へ足をお運び頂き、現役選手が真剣そのもので、試合に100%集中し、ゲームを楽しんでいる姿をご覧頂き、私の観戦記の実態を「100聞は1見に如かず」と体感して戴きたく存じます。